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2008/05/08

「いただきます!」の意味

昨夜は家族で外食。


家族4名で外食することはたまにあっても、

女の子3名では、ファーストフードで軽く食べるぐらいしかありません。


なぜなら…

娘たちは、特に娘2は、1品をまだ全部食べられない…

量が多かったり、食べられないものもある…

私も小食だから、自分のを食べるのに精一杯。


つまり、残してしまうことになるから。


ダンナさんがいっしょだとその心配はないので、外食もできるのです。

 

 


さて、船場吉兆の使い回し問題。


同じ飲食業をやっている身としては、とんでもない話です。

「どこの店も、そんなことやってるんじゃないの?」なんて思われたらとんでもない。

飲食業界全体に対しての不信感を作った罪に怒ります。

 

いくら手をつけていないからといっても、彩をよくするための飾りであっても、

使い回しするということに、「もったいない」は店側の屁理屈。


まかないにすれば「もったいない」はなくなるのに、そうはしないところに、

「食べ物を捨てるのがもったいない」ではなく、

「お金になるものを捨てるのがもったいない」なのでは?と勘繰ってしまいます。

 


それについて話しているとき、ダンナさんが言いました。

 

「確かに吉兆は悪い。

 だけど、食べ物を粗末にするお客にも罪はある。」


と。

 

「肉も魚も野菜も、命あるもの。

 ちゃんと食べることが、せめてものその命に対するお礼。」


だと。

 


またダンナさんには、料理人としての思いもあります。


「この一品を作るのに、どれだけ心をこめ苦労しているか…」

 

下げられたお皿に、食べ残しがあったら、

他人が口をつけたものなのに、それを必ず食べ、

味の確認をするダンナさんを日々見ています。


料理人にとって食べ残しは、ツライものなのですよ。

 

 

「食べ残しではなく、手つかず」という船場吉兆。


高級料亭ですから、接待で利用されることも多い。

目的は、ビジネス。

接待される側、特に接待する側は、食べることが目的ではないのでしょうね。


だから「量が多過ぎて食べられなかった」

「どうしても口に合わなかった」ではなく、

手もつけずに残せるのでしょう。

 

 

「使い回ししろ」という社長は、断じていけない。


一番の被害者は、それを知らずに食べさせられたお客さん。

 


そしてプラス……


一生懸命作った料理を、

それをまた別のお客に出せと指示され、それに背くこともできず、

料理人としてのプライドをずたずたにされた現場の人たちだと思うのです。

 

 


以前テレビで、食べる前の「いただきます!」の意味が、

「この命、有り難くいただきます」だというのを知りました。

 

食べる側も提供する側も、それをしっかり感じたいものです。

 

 

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コメント

ここまで落ちることができるとは、この一家はどんな気持ちで暖簾を預かってきたのでしょうか。
いただきます。一人で食べることが多いので、正直言わなくなってきています。気をつけなければと思います。

投稿: カステラ評論家 | 2008/05/08 20:49

最近では「給食費を払っているんだから、子供にいただきますと言わせないで!」
という親御さんがいるそうですね。
この話を聞いたときは唖然としました。
私は子供たちに、命をいただくのと同時に作ってくれた人への感謝もあると教えています。
それは、料理を作った私やコックさんもそうですがそれよりも育ててくれた農家や酪農家の方へ。
丹精込めて作ってくれた野菜を残してはいけないよと。
お茶碗にご飯粒を残してはいけないよと。
いずれは畑を借りて子供たちに野菜作りをやらせてみたいと思ってます。

投稿: みのぶ | 2008/05/08 20:54

昔の人は食べ物を粗末にすると罰が当たると言い子供を育てていました。
貧しい暮らしの中で育った私も食べ物を残すというのは罪悪感があるので、大人になってからもついつい勿体ない病でメタボになっている状態です。吉兆の客とは正反対ですね。

投稿: tosh | 2008/05/08 23:20

使いまわしの話はちょっと置いておいて・・

「もったいない」は正論ですけど、人それぞれ食の「適量」が違うのも事実

昔から小食で、給食でとても苦労した私は 
『残さずに食べなさい』 のフレーズはトラウマとなって今でも聞くと動悸がするほどです
家で料理を作っても「足りなければおかわりしてね」とは言いますが
「残さずに・・」は言いません
もちろん一生懸命刻んだものを雑に残されたりしたら
「一生懸命切ったのよ・・」と言って食べてもらいますが、
私が盛り付けた“量”が食べる人の適量かどうかはわからないですから。。
体調だって色々だろうし
残さずに食べるに越したことはないですが

でも、私でも外食したいこともたまにはあります
感謝は忘れませんが 食べ切れない事もあります
罪でしょうか。。。。。

投稿: ゲスト | 2008/05/09 13:15

「食べ切れないのだから残して当然」の気持ちで無ければ罪ではないと思いますよ。
すべてのことに感謝を忘れない事が大事なのでは?
星子さん、料理人さんが皆吉兆のような事はやっているなんて誰も思いませんよ。
あの一族が特別なんですよ。
それにきっと星子さんのだんな様は食べにきてくれたお客様への感謝の気持ちを
たくさん持っていらっしゃるでしょうから。
だって素敵な奥様と可愛いお子様がいらっしゃるんですから(^^)v

投稿: シャムネコ | 2008/05/09 16:42

皆さんコメントありがとうございます!

私が言葉足らずだったようで、ゲストさんに考えさせてしまいました。ごめんなさいね。

私も小食(特に子供の頃は)+食べるのが遅かったので、同じ思いを味わいました。食べるという行為が辛いと思ったことも。
ここで言いたかったのは「お金を払ったのだから」「客だ」風に思う人がいるということです。
>だから「量が多過ぎて食べられなかった」
「どうしても口に合わなかった」ではなく、
手もつけずに残せるのでしょう。

また、あきらかに食べきれないとわかっているのにアレコレ注文し残す人っていますよね。そういう人たちのことです。

給食の話が出ましたが、うちの小学校では、給食当番がよそった量を自分は食べ切れないと思ったら、手を付ける前に各自が返す(減らす)というしくみになっています。返した分は、おかわりしたい人が食べる…。個々、食の量も違うから無理強いさせないというこのシステムはいいことだと思います。

投稿: 桜木 星子 | 2008/05/10 12:39

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